「新HSK6級の勉強法はどうしたらいいかわからない…」
「中国語勉強してるけど新HSK6級はどう対策したらいいの?」
「HSK6級に実際に受かった人はどうやって勉強したんだろう?」
このようにお悩みの方は多いのではないでしょうか?中国語学習者が目指すべき一つの指標に中国政府公認試験最高レベルの新HSK6級があります。
この試験に合格すれば企業やネイティブの中国人など周りからの評価も上がるし、自信もつくでしょう。しかし、実際に試験のレベルはかなり高く、どうやって勉強したらいいかわからない人が多くいます。
そこで本記事では、中国語学習歴10年以上、新HSK6級に8割超のスコアで合格した私が以下の項目を解説します。
- 新HSK6級合格のために重要なことは何?
- 新HSK6級のレベルと必要な学習時間
- 新HSK6級合格のために私が実際に取り組んだこと10選
私も実際に取り組んでみて、半年で以下のような成績の変化がありました。
新HSK6級150点→255点
(前提として150点を取得したときにダブル受験で5級を受けると、8割くらいの点数でした)
試験合格のためには対策が欠かせません。本記事を最後まで読むことで、新HSK6級合格に近づけるためぜひ最後までお読みください。
前提と私のスコアの内訳
本記事を参考にする方で、5級がまだ余裕で合格できない方は、6級を受けるよりも先に5級の試験で8割超えを目指しましょう。
本記事の勉強方法を6級から5級に置き換えて取り組むのがおすすめです。
合格した6級のスコアの内訳は大体以下の通りです。
- 読解:9割
- リスニング:8割
- 写作:7割
総計で8割超えの点数でした。正直言えば、作文で8割を取るのは難しいなと感じて、大体できていれば7割は取れるだろうという感覚でした。そこで、まずは選択問題のリスニングと読解問題で確実に点数を取れるように特に力を入れて取り組みました。
【結論】8割超のスコアを目指すには新HSK6級の試験対策と多読多聴を同時並行する
私が実際にやったことは、必要な単語を学んだ上で模試の練習と多読多聴の2つです。
必要なのは新HSKの試験慣れと本質的な中国語力です。過去問を解くだけの試験対策だけでもある程度スコアは得られるかもしれません。しかし、8割以上を取得するためには試験対策と多読多聴を並行して進める必要があります。
また多読多聴は、長期的に継続することで効果が表れます。すぐにレベルアップしたいと思っても難しいため、根気よく続けていきましょう。
本記事ではそれぞれ試験慣れするための対策と中国語力の上げ方の2軸を解説します。
HSK6級のレベルと必要な学習時間
新HSKのサイトによると難易度や学習時間は上記の通りです。新HSK6級試験合格に必要な学習時間は360〜72時間と言われています。
ただ試験対策に関しては、ダラダラと行うのではなく短期的に集中して取り組む方が結果を得やすいです。
【試験対策編】HSK6級合格のために行った5つの対策
私が試験対策としてやったことは以下の5つです。
- 単語帳で必要な基礎単語を学習
- 過去問・模試を解いて復習
- 作文は模範解答を模写する
- 読解問題の解く順番を考える
- リスニングは先読みしておく
以下でぞれぞれ具体的に解説していきます。
1.単語帳で必要な基礎単語を学習
まずは新HSK6級で頻出される基礎単語を学習しましょう! もし5級やその他の試験を受ける場合も、頻出されている単語をあらかじめ学習しておくと効率的に合格できます。 私が学習に使っていた参考書は以下の書籍です。
また単語を覚えるときは以下のことを取り入れると効率的な単語暗記ができます。
- エビングハウスの忘却曲線に従う
- 回転率を上げる
- 自分で例文を作る
- 絵や画像を使う
全然覚えられないものはチェックしておいて、暗記できないものだけ次回の復習で学習しましょう。
2.過去問・模試を解いて復習
試験対策として、最も重要なのはHSKの過去問や模試を解いて練習することです。
他の試験やスポーツの試合などでも実践を見越した練習があるでしょう。実際の試験がどんなものか分析して、あなたの弱点を対策しておかないと実践では勝てませんよね。
私は受験当時、中国上海に留学しており現地で売っている問題集は解説がなく日本の友達から日本語解説がついてる過去問を借りていました。重要なのは解いて終わりでなく必ず復習することです。
復習するときは、以下の項目に取り組みましょう。
- なぜその回答なのか根拠を理解する
- 単語や文法を理解
- 音読やシャドーイング、リピーティング
私はスラスラ読めるようになるまで20〜30回くらい音読練習をしました。
3.作文は模範解答を模写する
作文はできれば自分で書いてみて、ネイティブの中国人に見てもらい、変な表現はないか添削してもらうのが良いです。
しかし、実際にそこまでしてもらえる関係の中国人がいない人が多いでしょう。そこで私がおすすめするのが解答の模写です。過去問数年分の作文の模範解答をそのまま書き写します。
書き写すときのポイントは、どんな文構造になっているかどんな単語が使われているかを確認しましょう。実際の試験でも真似し、大きな間違いがなければ7〜8割程度のスコアは確保できるでしょう。
4.読解問題の解く順番を考える
読解は大問1から4までありますが、解く順番を意識しましょう。
読解問題の大問1はネイティブでも間違えることがあると言われています。よく考えてもわかりづらいものが多く、この正答率が低い部分に時間をかけるよりも他の問題を丁寧に解く方がスコアは高くなりやすいです。
かなり自信がある方でなければ、後ろの大問4から逆に大問1へ解いていくのがおすすめです。
5.リスニングは先読みしておく
リスニング問題は、問題文や選択肢の単語や文を先読みしておきましょう。どのような内容が話されるか、ある程度予測ができます。
また、ひっかけ問題もあるためしっかり内容を聞く必要があります。5W1Hなどの項目を気にしながら先読みした内容と照らし合わせていくのがよいです。
スピードについていけるように、普段から音読する練習を取り入れるのがおすすめです。
【多読多聴編】HSK6級合格のために行った6つの対策
HSK6級対策は、模試を解くだけでなく多読多聴を並行して中国語力を上げることが必要です。
私が普段から行っている勉強は以下の通りです。
- ポッドキャストを聞く
- 中国語の音楽を聞く
- 好きな映画やドラマをひたすら見る
- 辞書や小説を読む
- 中国語ニュースを読む
- 中国の検索エンジンで調べ物をしてみる
これら全てを毎日行っているわけではありませんが、さまざまなことをして中国語に触れています。日本でもできることなので、できることからぜひ実践してみてください。
1.ポッドキャストを聞く
ポッドキャストは、アーカイブのあるラジオです。家事の間や通勤・通学中などを活用してたくさん中国語を聞くようにしましょう。
チャンネルを選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- 自分がギリギリ理解できるレベル
- 興味のあるジャンル
- 長すぎない
継続できなければ意味がないため、自分のレベルにあったもので興味があり長すぎないものを選びましょう。
僕がよく聞いているポッドキャストは、「百靈果News」と「TED中文」の2つです。
他にも中国中央電視台のニュースをBGMにして寝たりしていると、中国語で夢を見ることもありました。ほとんどのポッドキャストは無料で聞けるため、ぜひ活用してください。
2.中国語の音楽を聞く
音楽ならあまり勉強しているという感覚にはならないため、継続しやすく長時間中国語に触れられます。
僕が留学時代に毎日のように聞いていた歌手は五月天、林俊傑、王力宏でした。ジョギングしたりバスや地下鉄の移動中に何度も聞いていました。
好きな歌であれば、歌詞の意味を調べたくなるし覚えやすいでしょう。自分が何度も聞いたり歌ったりしたくなる歌手を見つけられると、楽しみながら中国語を学べます。
カラオケに行ったときに中国人の友達に披露もできるため、一石二鳥といえるでしょう。
3.好きな映画やドラマをひたすら見る
音楽と同様、好きな映画やドラマを見ることもおすすめです。
楽しみながら中国語に触れられるため、ドラマや映画も自分が好きなものを見るのがおすすめですが、アクションものや犯罪ものをたくさん見てもあまり中国語力アップにはつながりにくいです。
普段の生活で使えるフレーズが多いジャンルは、恋愛系やコメディ、ヒューマンドラマなどです。
僕が留学中によく見ていたのは、「愛情公寓」「北京愛情故事」というドラマを何度も繰り返し見ていました。同じものを何度も見ていると、最初聞き取れないものもだんだんとわかるようになってきます。
自分のお気に入りを見つけて何度も視聴すると楽しみながら中国語を学べます。
4.辞書や小説を読む
中国語の文章をたくさん読むことで、長文に対する苦手意識もなくなりスラスラ読めるようになります。
私は大学の図書館で短編小説を借りて読んでいましたが、難しいという方は絵本から始めてもよいでしょう。また、わからない言葉を辞書で調べる時にネイティブの人が使う中国語で書かれた現代漢語辞典を使って調べていました。
何を読むにしても、興味のあるものや無理なく継続できるものを見つけてたくさん触れることが重要でしょう。
5.中国語ニュースを読む
中国語のニュースを読むことも多読になるためおすすめの方法です。
普段からニュースを読む習慣がある人は、特に苦にならず続けられるでしょう。自分がいつも興味を持って読んでいるジャンルなら、中国語でも理解しやすくなります。
もちろん中国のニュースサイトを読んでもいいですが、日本のニュースの中国語版の方が読みやすいでしょう。例えば、 NHK WORLD RADIO JAPAN (中国語版)や日经中文网(日経新聞の中国語版)があります。
ただし、普段からニュースを読む習慣がない人は、苦痛になることが予想されるため他の方法をとりましょう。
6.中国の検索エンジンで調べ物をしてみる
わからない言葉や文化があったときに、日本語で調べるのではなく中国語で書かれたサイトを見てみるのもおすすめの方法です。
「众所周知」という言葉がわからなかったとします。検索すれば日本語の意味がすぐにわかりますが、「众所周知 意思」などと検索すると、中国語で意味が書かれている文章が出るため読解の訓練になるでしょう。
また、日本や中国の文化を調べるときに中国語で検索して現地のサイトを見てみるのも1つの方法でしょう。
【+αのHSK対策】アウトプットの機会を用意する
余裕があれば、自分で中国語を作るアウトプットの機会を用意しておきたいです。
新HSKは会話の試験がないため、実際にスピーキングやライティングの練習が必須ではありません。しかし、アウトプットでは自分で文章を組み立てるため、身につきやすく中国語脳を早く作れるようになります。
独り言や中国人の友達と会話、オンライン中会話、日記などを活用してアウトプットもしていきましょう。